パイセン

わたしの生い立ち

五章 桜 彼女 絶望

春の訪れ、わたしは中学生になった

ますます大人になり青春というかけがえない時代を過ごすこととなる

この中学校生活で人間の大体の性格は構成されていくもの、気は抜けない

が、そんなこと考えもせずに部活、新しい仲間との出会いに心躍らせていた

保育園が同じだが小学校は違うかつての仲間も大勢集結し

仲間が増えた嬉しさにわたしは歓喜の咆哮をあげた、みんなはどこか距離を離していた

わたしはいろんなクラスを回り保育園の仲間を探していた

その時は突然訪れる…雷が落ちる衝撃、わたしの心は震度15で揺れだした

そう、かつての仲間であった女の子がとても可愛くなっていたのだ

お互い顔見知り、二人の距離は自然に近くなっていく…

何気ない会話をするだけで心臓が強く鼓動する…

わたしは彼女に恋をした、彼女を朝見るだけでジュニアが固く反り立つ

中学生一年生、性には敏感な時期、わたしの本能も彼女を欲していたのだ

5月体育祭の準備が行われ放課後も皆残り準備を進める

クラスは違えど彼女も当然残り準備する

わたしは彼女を呼び出した…

そして唐突にこう言った…好きだ付き合ってくれ

なぜこうも唐突に言ってしまったか自分でもわからず後悔した

少し考えさせて、わたしもパイセンのこと気になってたの

可能性のあるその返事はわたしをオーガズムに導いた

しかし返事は来ないムズムズしながら時だけが過ぎていく…

三日後…わたしはいつもの様に登校し教室を目指し廊下を歩く

目の前に現れた彼女は、わたしに近よりこう囁いた

いいよ♡

その瞬間わたしに翼が生えたなんて素晴らしい人生なんだ

このまま彼女をつれて遠くに飛びたい

わたしの中学校生活は間違いなく素晴らしいモノとなると確信した瞬間だった

それから毎日メールした、電話はお金がかかるのでできなかったが毎日が愛おしかった

いつか登下校を一緒にして帰りの別れ際に初キスをするなんて妄想をして一週間

別れよう…突然告げられた言葉に現実を直視出来なかった

理由を聞くと友達のほうが良かった…この言葉にわたしの心は激しく砕けた

落ち込むわたしに友達が早く新しい彼女を作って忘れるという提案をしてきた

落ち込んでいてもしかたがないと考えたわたしは二日後違う女の子に告白をした

当然そこには以前の愛などなかった、結果はごめんなさい

どうでもよかったのだ、すでに心は無くしている

友達にダメだったことを告げ笑い話にした次の日、異変を感じる

女子からの冷たい視線、それまではクラスでも活発なグループだったため女子ともなかがよかったはず…いったい何が起こったというのだ…

なにもわからないまま時が過ぎある日気が付く

わたしにあだ名がつけられていたのだ、たらし だった

そう、別れてすぐ違う女の子に告白したことが女子からの反感を買い

わたしはクラスのばい菌となっていたのだ

お前と話すなって言われてる、そう言って離れていく友達

わたしは、クラスに存在していないことになったのだ

なぜだ、わたしは何もしていないのに、

納得ができない、しかし抵抗もできない

わたしはお化けになった…

そこから先はあまり覚えていない

毎日歯ぎしりの音だけ鳴らす存在になった…

まるで、一週間しか生きられないセミの様に短い青春だった

しかし歯ぎしりは止まることをしらない

わたしの一年生は終わった…女などいならい友達を返してくれ

 

わたしの甲子園は終わりを告げた…

四章 呪われし黒刀

長い宴の終わりと同時に到着、京の都、京都

正直、清水寺などどうでもいい

わたしたちの班は適当に過ごし夜のホテルに全てを賭けていた…

しかしミーハー、音羽の滝にて飲む恋愛成就の水

気になるあの子とお楽しみがしたい、その一心で飲む

まるで砂漠を彷徨いオアシスを見つけたトレジャーハンターの如く

恋愛の神になって満足したわたしたちは清水寺を後にした…

夕飯をさっと済ませ着々と迫る…おうち時間…

がしかし、ここにきてまさかの展開が訪れる

そう、お土産を買いに街に出るという緊急クエストが先生から依頼された

!?!?!?!?

旅のしおりには書いてない先生からのサプライズに皆どよめきを隠せずにいた

次の瞬間、聞こえる歓喜の声、うれしさから叫びだす者

わたしは、めんどくさい感じを出し皆とは違う雰囲気を出す

心の中ではブレイクダンスを踊っていた

そして出陣、繰り出す、町

土産屋に着き各自、土産を見るなか

ナニカに引き寄せられる様に人だかりができている場所があった

特に男子の吸い込まれ方は異常なほどだった

ナニガ彼らを引き寄せるのか、もちろんわたしも吸い寄せられていった

キャンディーに群がる蟻だった

しかしソレはキャンディーではなかった…

木の刀そう木刀だった

一度手にするとドラクエの呪いの装備だった…外せないのだ

もう木刀一択だった、その場で行われる剣士になる誓い、所属流派の情報交換

キーホルダー?有名な建物が彫られたクリスタル?

ククク…子供すぎるでござる、そんなことを思いつつ他の子どもが選ぶお土産を馬鹿にしながらレジに並ぶ拙者

拙者が選んだ剣はショートタイプの比較的軽めの木刀だった、色は黒色

レジ待ちの間にこの黒刀にはデスブレードという名前を付けて帰ってからの稽古に心を躍らせていた

だが現実は残酷だった…

お金が足りなかったのだ、拙者の心が壊れる音が聞こえたで候

呪いの装備は店員という除念師によってあっさり外され道場も破門にされた

それから後のことはあまり覚えていない

ギリギリ…ギリギリとナニカが擦れる音だけがひたすら聞こえたことだけは覚えている

部屋に帰ってから始まる剣士が白い綿棒みたいなやつで剣をポンポンする真似をする者

素振りをする者、打ち合い稽古を始める者

わたしはプールの見学者のようなポジション…見る、ひたすら見る

止まらない歯ぎしり、嫉妬、妬みがわたしをモンスターに変えた瞬間だった

わたしは手に入れるこの世の金全て

そして今度は貴様達がわたしに嫉妬する番なのだ

わたしはそう強く誓い歯ぎしりをした

 

 

 

 

三章 涙のマダンテ

六年生になってわたしも着々と大人に成長して来た夏の終わり

六年生の一大イベント京都、奈良への修学旅行が始まろうとしていた

わたしは普段仲の良い友達と班を作り目的地を決めた

特に行きたい場所などなく清水寺に決まったのだ

夜はなんとホテルでの宿泊にキャンプの時の裏切りを思い出しつつ

それでも小学生、楽しみが抑えきれなかった

 

ついに来た修学旅行当日…

わたしは道中魔力が暴走しない様、親からもらった酔い止めを口にし、決戦に臨んだ…

普段学校で会う平穏な感じとは違う、ピりついた空気…

わたしは一瞬で察した…間違いない…なにか不吉な事が起こると

しかし、わたしの予想とは裏腹に順調に進んでいくバスの中でのレクリエーション

カラオケ、トランプ、映画鑑賞、楽しい!皆が全力で楽しんでいた

なんだ、杞憂か…そんなこと思いつつふと後ろを覗く

ッッツ!!グギ!!口から暴走しそうな魔力を必死に抑え込む同級生

自分のMPを全て消費して相手に暴走した魔力をぶつけるマダンテ一歩手前だった

魔力を抑える同級生の横で怯える女の子

自分を犠牲にして魔力を受け止めようとする先生

わたしは現実を直視できず、とりあえず映画を観ることにした

見殺しにしたのだ…すまないわたしに力が無いばかりに…

悔しさと初めて人の苦しむ姿を見て涙が溢れそうだった…

一瞬の出来事だった

全部出しなさい!突然先生が叫んだ、そう遂に暴走したのだ…

まるで氾濫した河川がダムを決壊させるように魔力は暴走した

まさに、この世の終わりと言える暴走音が皆をパニックにさせる

しかもバスの中、密です密です、ソーシャルディスタンスなどまるでない

響き渡る叫び声、漂う悪臭バスの中が地獄になった瞬間である

わたしは神に祈ることしかできなかった

しかし、神に祈りを捧げて間もなく暴走も威力を弱め始めた

今だといわんばかりに先生が背中をさする

ウッ!と奇声じみた声を出しながら落ち着いていく同級生

戻るのだ…またみんなで夏祭りを歌いながら楽しい時間を過ごすのだ!

皆、歓喜に心を躍らせた、先生の顔にも少しずつ穏やかさが戻り

同級生も落ち着き、失ったMPの回復に専念していた

さぁ、立ち上がれ宴の時間だ

我々は危機を乗り切った革命同士なのだから…

それぞれのドリンクでそれぞれが乾杯をし始めた

長い夜明け新しい朝に乾杯と…

 

次回 呪われし黒刀

 

 

二章 夢そして裏切りのキャンプ

野球、カードゲームでお金の重要さに気が付いたが、所詮小学生
5年生最大イベントキャンプの前では誰もが目を輝かせるのだ
この一大イベントにおいて、最重要な決め事、それは…班分けなのだ
どれだけ厳しいルールがあろうと、友達と同じ班それだけで楽しみは

キャバクラとギャンブルにハマる男性のように
ホストという疑似恋愛にハマる女性のように

周りが見えなくなり、ただ漠然とキャンプというイベントに楽しさを妄想し
ウキウキするものである。

ナニが彼らをそこまで楽しみにさせるのか…
それは…
1泊2日のお泊まりだからであろう
普段学校では先生、家では親その鎖に開放され
夜は班ごとにテントで就寝
この圧倒的自由時間
友達と寝ながら様々なことを語る
好きな人、将来の夢、様々な愚痴
友達だからこそ話せる
みんなに内緒だぞ?
この一言が場を、まるでビヨンセのライブのように盛り上げるのだ
私も例外ではない、このキャンプというイベントにおいて
楽しみを隠し切れず歯ぎしりをしたものだ

班分けのじゃんけんここで全てが決まるといっても過言ではない
普段仲いい者同士の裏切りそして結束
みな、作戦を立てじゃんけんに臨む…
わたしはこの戦いに勝ち友達と同じ班となった
分かっていたとはいえ歓喜し叫んだ
後の決め事などただの戯言に聞こえた
夜のキャンプファイヤーが終わったその瞬間私たちの夜は始まるのだから…

期待しかないキャンプ当日、何事もなく様々な行事が終わっていく
最大イベントキャンプファイヤーですら霞んで見えた
それほどまでに就寝からの自由時間は私たちの希望だった

そして

時は来る

皆で円を作るように雑魚寝をして語り始める様々な夢や好きな子の情報交換
私は紛れもなく楽しんだ
皆で夢を語り終えたころにはやはり小学生
夜遅いこともあり、数名の離脱者…夢の中に消えていく…
わたしもそのなかの一人、知らない間に眠りにつく
今日という日に満足をして…
幸せな時間が終わり明日という平日がやってくる
しかし、明日は来なかった…
眠りについた私の鼻に襲い掛かるまるでダンプカーのような衝撃
痛い!飛び上がる私、顔は血に染まっていた
なんだ?何がおこった???
わたしはともだちの無事を確認するために回り確認した
一瞬で何が起こったのか察した
そう、友達の寝相が悪くわたしの顔を蹴ったのだ
被害者はわたしだけ
疑いたくなかった、さっきまで夢を語った仲間の裏切りに
実はわたしはみんなに嫌われていたのか?
これは仕組まれたキャンプだったのか?
そんなことを考えながら顔を洗いに外に出ると先生はまだ起きていた
おい!ぱいせん!いつまで起きてるんだ?
冷たい言葉がわたしの心を傷つける
わたしは全てを話したこのキャンプは仕組まれていてわたしは狙われている
テントの中に戻れば殺されると、しかし帰ってきた返事は求めていたものとは遠い言葉だった
いい加減にしなさい早く戻って寝なさいと
わたしは殺される恐怖に怯え歯ぎしりをしながらテントに戻った

朝が来た、わたしは生き延びたのだ、続々と起き始める過去の友達
何食わぬ顔で話しかけてくる過去の友達
わたしはもう騙されない、何が友情、何が夢、だ
わたしは一人で生きていくだが力がない悔しいが今は仲間のふりをして
いつか貴様らの喉元を掻っ切る
そう誓い歯ぎしりをした

しかし
みんなで食べる朝ごはんは美味しかった

一章 降誕

私はどうしてもお金持ちになりたいのだ

ありとあらゆる贅沢をしたいのだ

全ての人間をお金で配下につけたいのだ

 

どろどろな欲にまみれたモンスターパイセンは平成初期に降誕した

なぜ私がここまで欲モンスターなのか

小学生の時から話したい

 

学校が終われば門限ギリギリまで遊び散らかしていた

友達も多く、よくゲームもしたし外で遊んだりもして本当に毎日が楽しかった

 

友達で野球チームを作り練習に励んだ時期もあった、試合は一度も行われていない

ビヨンドと呼ばれるバットのミート部分が反発性の素材でできたバットを友達が使っていたが、私は父親がソフトボールで使用しているバットしかなく歯ぎしりをした

また、親の仕事の都合でわたしは少年野球に入団できなかったが

友達たちは既に加入している者も多く差がついていくことに焦り歯ぎしりをした

 

しかし野球だけが遊びではない、TVゲームやカードゲームは他の友達に比べて上手く

優越感に浸ることもあった

全ての遊びには 考える力 すなわち戦略が必要とされる

私は戦略を練るのが好きで特にカードゲームなどでは、流行りの戦法などより

あまり強くないとされる人気のないカードで勝つこと好んだ

しかしこれは、カードが今のように専門店に行けばストレージが並んで好きなカードをピンポイントで買えず、1パック150円のパックをたまに買ってレアカードが出たら

友達のいらないカード数枚と交換などをして地道に揃えるため

勝つために辿り着いたしかたない作戦である、本当はキラカードだけのデッキにしたかった

 

友達たちは私の家より裕福な家庭が多く、友達が何個もデッキを持ち海馬セトが持っていそうなケースに大量のカード従え遊びに来る

私は羨ましい気持ちと同時にそれ以上の劣等感で歯ぎしりをした

だが対戦をすると…

こんな大量のカードがあってデッキもある、なのに…なぜなんだ、なぜ俺に負ける?

この時友達たちと自分の戦略の違い,深さに気が付いた

私は強い!しかしカードが足りないなぜだ!そう(お金)である

バットもカードもお金があれば全て揃うのだ

この時お金という絶対的価値にそして生まれながらに勝者と敗者がいる現実に絶望した

私は這い上がる…いずれお金をも支配しこの世を牛耳る支配者になるのだと誓った

小学5年であった