パイセン

わたしの生い立ち

一章 降誕

私はどうしてもお金持ちになりたいのだ

ありとあらゆる贅沢をしたいのだ

全ての人間をお金で配下につけたいのだ

 

どろどろな欲にまみれたモンスターパイセンは平成初期に降誕した

なぜ私がここまで欲モンスターなのか

小学生の時から話したい

 

学校が終われば門限ギリギリまで遊び散らかしていた

友達も多く、よくゲームもしたし外で遊んだりもして本当に毎日が楽しかった

 

友達で野球チームを作り練習に励んだ時期もあった、試合は一度も行われていない

ビヨンドと呼ばれるバットのミート部分が反発性の素材でできたバットを友達が使っていたが、私は父親がソフトボールで使用しているバットしかなく歯ぎしりをした

また、親の仕事の都合でわたしは少年野球に入団できなかったが

友達たちは既に加入している者も多く差がついていくことに焦り歯ぎしりをした

 

しかし野球だけが遊びではない、TVゲームやカードゲームは他の友達に比べて上手く

優越感に浸ることもあった

全ての遊びには 考える力 すなわち戦略が必要とされる

私は戦略を練るのが好きで特にカードゲームなどでは、流行りの戦法などより

あまり強くないとされる人気のないカードで勝つこと好んだ

しかしこれは、カードが今のように専門店に行けばストレージが並んで好きなカードをピンポイントで買えず、1パック150円のパックをたまに買ってレアカードが出たら

友達のいらないカード数枚と交換などをして地道に揃えるため

勝つために辿り着いたしかたない作戦である、本当はキラカードだけのデッキにしたかった

 

友達たちは私の家より裕福な家庭が多く、友達が何個もデッキを持ち海馬セトが持っていそうなケースに大量のカード従え遊びに来る

私は羨ましい気持ちと同時にそれ以上の劣等感で歯ぎしりをした

だが対戦をすると…

こんな大量のカードがあってデッキもある、なのに…なぜなんだ、なぜ俺に負ける?

この時友達たちと自分の戦略の違い,深さに気が付いた

私は強い!しかしカードが足りないなぜだ!そう(お金)である

バットもカードもお金があれば全て揃うのだ

この時お金という絶対的価値にそして生まれながらに勝者と敗者がいる現実に絶望した

私は這い上がる…いずれお金をも支配しこの世を牛耳る支配者になるのだと誓った

小学5年であった