パイセン

わたしの生い立ち

二章 夢そして裏切りのキャンプ

野球、カードゲームでお金の重要さに気が付いたが、所詮小学生
5年生最大イベントキャンプの前では誰もが目を輝かせるのだ
この一大イベントにおいて、最重要な決め事、それは…班分けなのだ
どれだけ厳しいルールがあろうと、友達と同じ班それだけで楽しみは

キャバクラとギャンブルにハマる男性のように
ホストという疑似恋愛にハマる女性のように

周りが見えなくなり、ただ漠然とキャンプというイベントに楽しさを妄想し
ウキウキするものである。

ナニが彼らをそこまで楽しみにさせるのか…
それは…
1泊2日のお泊まりだからであろう
普段学校では先生、家では親その鎖に開放され
夜は班ごとにテントで就寝
この圧倒的自由時間
友達と寝ながら様々なことを語る
好きな人、将来の夢、様々な愚痴
友達だからこそ話せる
みんなに内緒だぞ?
この一言が場を、まるでビヨンセのライブのように盛り上げるのだ
私も例外ではない、このキャンプというイベントにおいて
楽しみを隠し切れず歯ぎしりをしたものだ

班分けのじゃんけんここで全てが決まるといっても過言ではない
普段仲いい者同士の裏切りそして結束
みな、作戦を立てじゃんけんに臨む…
わたしはこの戦いに勝ち友達と同じ班となった
分かっていたとはいえ歓喜し叫んだ
後の決め事などただの戯言に聞こえた
夜のキャンプファイヤーが終わったその瞬間私たちの夜は始まるのだから…

期待しかないキャンプ当日、何事もなく様々な行事が終わっていく
最大イベントキャンプファイヤーですら霞んで見えた
それほどまでに就寝からの自由時間は私たちの希望だった

そして

時は来る

皆で円を作るように雑魚寝をして語り始める様々な夢や好きな子の情報交換
私は紛れもなく楽しんだ
皆で夢を語り終えたころにはやはり小学生
夜遅いこともあり、数名の離脱者…夢の中に消えていく…
わたしもそのなかの一人、知らない間に眠りにつく
今日という日に満足をして…
幸せな時間が終わり明日という平日がやってくる
しかし、明日は来なかった…
眠りについた私の鼻に襲い掛かるまるでダンプカーのような衝撃
痛い!飛び上がる私、顔は血に染まっていた
なんだ?何がおこった???
わたしはともだちの無事を確認するために回り確認した
一瞬で何が起こったのか察した
そう、友達の寝相が悪くわたしの顔を蹴ったのだ
被害者はわたしだけ
疑いたくなかった、さっきまで夢を語った仲間の裏切りに
実はわたしはみんなに嫌われていたのか?
これは仕組まれたキャンプだったのか?
そんなことを考えながら顔を洗いに外に出ると先生はまだ起きていた
おい!ぱいせん!いつまで起きてるんだ?
冷たい言葉がわたしの心を傷つける
わたしは全てを話したこのキャンプは仕組まれていてわたしは狙われている
テントの中に戻れば殺されると、しかし帰ってきた返事は求めていたものとは遠い言葉だった
いい加減にしなさい早く戻って寝なさいと
わたしは殺される恐怖に怯え歯ぎしりをしながらテントに戻った

朝が来た、わたしは生き延びたのだ、続々と起き始める過去の友達
何食わぬ顔で話しかけてくる過去の友達
わたしはもう騙されない、何が友情、何が夢、だ
わたしは一人で生きていくだが力がない悔しいが今は仲間のふりをして
いつか貴様らの喉元を掻っ切る
そう誓い歯ぎしりをした

しかし
みんなで食べる朝ごはんは美味しかった